森之助は長生き(真田と尼子の十勇士の話)

先日、尼子十勇士について書いたとき相木森之助について少し触れたが、
この森之助 真田十勇士のひとりになる可能性もあった。

お盆のあいだいに読んだ『真田三代記』に、相木森之助が最初から最後まで出てきた。
さいしょ森之助は敵方の勇士として登場するが、
いろいろあって幸隆に捕まってしまい、以降は真田家に仕えるという設定(第三回)

その後すっかり真田の家臣に納まり、
最後は幸村や大助といっしょに西国に落ちてゆく。

ずいぶん長生きの武将だ。
真田家はもう4代目になっているのに。
あるいはこちらも代替わりしているのか。

それもなさそうだから、
おそらくは作者のうっかりミスだろう。

真田三代記』は変な本で、内容はかなり自由気ままだ。

メモをしながら読んだのだが、
武将の名前などもけっこうその場によって違っている。

前に討ち死にした武将が、それとなくまた出ていたりする。

いいかげんだ。

でも面白かった。

真田三代記』の段階では、
真田十勇士はまだ全員出揃わない。
猿飛はもちろん出ないが、
霧隠れも一カ所に出るだけ。
他のキャラクターもあまりはっきり性格付けされていない。

ただ穴山小助が幸村の影武者として大活躍していた。

ここに相木森之助を十勇士に入れて、
尼子十勇士と真田十勇士の両方が出る話を書いたら
果たして売れただろうか。
あるいは全然だめだったろうか。

更級草紙は、第二部に入る時、武田勝千代を尼子勝千代に変えて路線変更したが、
当初に戻してみたら意外と面白いかもしれない。



でもドラキュラとフランケンと狼男が全部出る映画みたいになるかもしれない。

今すぐ二十勇士の本を書けと言われたらかなり苦労しそうだ。
抱き合わせ商法は難しいだろうね。

でも出来る気もする。
売れるかどうかは、微妙かな。