2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

更級草紙

栗杖亭鬼卵著『勇婦全伝 絵本更級草紙』(文化7年 序文)を読んだ。 「昨日別の本を読み終わったところなのに、 ずいぶん早く読めるね、他の書類も沢山あったのにどうしたの?」 「早く読む訓練をしているから、ちょっとした草紙ものなら一時間くらいで読め…

愉快な十勇士

『尼子十勇士』(明治16年 春陽堂)を読んだ。 鍛代敏雄さんの「山中鹿介と小説」(『山中鹿介のすべて』所収)に付けられたリストによると、近代の鹿介ものの小説ではもっとも早いもののひとつらしい。 最近はネットの近代図書ライブラリーで、こういう本が…

兵語

昨日不思議な夢をみたので、今日は和本の書棚を開けてみた。 わが家にはさほど珍しい本はないが、少し前、家の建て替えのときに和本を入れた茶箱が二つでてきて、 そこに旧藩関係の書物が何点か混ざっていた。 聞いた話では、伊勢崎藩の御典医を勤めていた栗…

知己との別れ

雨だ。 先日迄の猛暑から一転して、今日は肌寒い一日となった。 そんななか、論文を出しにあわてて外にでかけて、帰りに急な雨にあい、近くにある大樹の木陰に避難する。 雨宿りをする先客の老人がいて、ひとことふたこと言葉を交わすが、なかなか雨はやまな…

七難八苦

今日は山中鹿介が毛利に討たれた日だ。山陰のほうではきっと追悼の行事が催されているだろう。 少し前の話だが、ご縁があって何ヶ月間かTVの某戦国バラエティ番組の監修をした。何人かで分担したが、山中鹿介の回はぼくの担当だったので、放送時には名前がテ…

是を以て死すとも足る

同じ歳の郷土の学者がどんな人だったのか気になりだし、 図書館にでかけて、生田万についてぼつぼつ調べてみた。 「余既に師友の譴を被る。故に門戸を閉ざして以て大中経を読み、また時々、詩を賦し文を属して従容、自ら楽しみ自ら遣る。是を以て死すとも足…

雲をつかむような話

朝まで原稿を書いていて、明け方少しうとうとしたら夢をみた。 どんな夢かはもうわすれたが、 「あなたはいつも夢にでてくる人ですが、今日こそお名前を明かしてくれませんか」 誰かにそんなことを懇願している。 自分の台詞がどことなく滑稽で、目が覚めた…

救世主

このところ取材と調査でいろいろな家をお邪魔していて 時に政治の話になることもある。 「日本には救世主はあらわれないのか」 「明治維新の若者のような人はいないのか」 このような問いかけを最近しばしば耳にする。 特に高齢者にそうした意見が多い。 昨…