なつかしい着物

先日、高崎市の染料植物園で芝崎重一さんの講演会があり、
家族で出かけてきました。

芝崎さんは伊勢崎織物の復興を目指して、ユニークな活動をされている方で
私が織物の歴史について論文を書いた時にもたいへんお世話になったのです。

糸や染色についての細かなお話は
私にはなかなか難しいところもありましたが、
我が家の女性陣は、いちいち頷きながらメモをとって一生懸命勉強し
サインまでいただいたようです。

伊勢崎銘仙というと、大衆向けの安価な工業製品というイメージがどうしてもあります。
でも、手仕事で作られたこの地方の古い着物には、そうしたものにはない本物の味があります。
織物に携わる人々が企業家としてものを考えるのではなく、
ものづくりの心を取り戻すこと。
それが伊勢崎織物の再生につながるのです。
以前のインタビューで、芝崎さんはそうおっしゃっていました。

なお、芝崎さんの講演会は、「伊勢崎の太織−江戸の特産品」という展覧会のなかのイベントで、
私の家からも、代々だいじに保管していた、江戸時代の着物を出品しました。

展覧会のパンフレットやポスターに使われているのは、
天保年間の祝着(七五三用?)です。
渋い色彩ですが、女子のもので、裏地の紅がとても奇麗です。
年代から考えると、曾祖父の祖母あたりの人のものかもしれません。


私が親戚のおじいさんから聞いた話によると
この人は
我が家の歴史で多分一位か二位くらいに
強い個性をもった元気な女性だったそうです。

若いころに乱暴な男たちをへこませた話や
恋愛をして大胆な行動をとった話などが
私の代まで逸話として伝わっています。


染料植物園は空気もきれいですし、雰囲気がとても良い場所ですから、
皆さんもどうぞ、仲の良い方と遊びにいってくださいね。