ひつじ大学 10周年記念シンポジウムのお知らせ

                            
     ひつじ大学 10周年記念大会 
   「シンポジウム−多胡碑と記憶-」開催のお知らせ  

吉井町の地域文化振興のため2007年に設立されたひつじ大学の活動も、早いもので10年目を迎えます。「郷土の歴史・文化を現代の視点から見つめ直し、地域文化の再生を図る」との理想を掲げて、多胡碑や羊太夫伝説をモチーフに活動を続けて参りました。皆様のご協力・ご賛同を得て、上野三碑のひとつである多胡碑は、ユネスコ世界記憶遺産国内候補に選ばれております。
 ひつじ大学の10周年を記念し、ユネスコ世界記憶遺産登録運動のいっそうの推進を図るため「シンポジウム−多胡碑と記憶」を開催します。
 長い歴史を通じ、多胡碑は地域の人々にルーツや過去とのつながりを教えてくれる大事な遺産でした。本シンポジウムでは、中世から近代までの興味深い事例をもとに、多胡碑の保護・活用の歴史を検討し、文化財と地域的アイデンティティとの深い結びつきについて考えます。最新の研究成果に基づく新説の発表もあります。



                  
日時 2016年6月18日(土曜日)シンポジウム開始 13:30(開場 13:00)

「多胡碑を顕彰する力−長野氏の地域文化財活用−」山本隆志先生
「記憶する民俗−複製された多胡碑−」佐藤喜久一郎先生
「地下に埋められた多胡碑」松田猛先生
             
終了 16:30(予定)

会場 高崎市吉井町吉井285番地2 吉井町文化会館 大ホール

入場料 無料(ただし、資料代として300円を賜ります)





講演1「多胡碑を顕彰する力−長野氏の地域文化財活用−」

筑波大学名誉教授 山本隆志先生 
「多胡碑の碑文が文献史上で最初に確認される『あづま路のつと』は、著者宗長が浜川の長野氏を訪問した時のものであるが、その叙述意図はどのようなものだったか、流布本以外の写本の検討などにより、考察してみたい。」



講演2「記憶する民俗−複製された多胡碑−」

ひつじ大学理事長 佐藤喜久一郎先生 
「近世後期から近代にかけて、様々な意図から在地で多胡碑のレプリカが続々と作られた。特に羊太夫の子孫を称した多胡一族には、模造品の多胡碑を信仰対象とする民俗が存在し興味深い。本事例をもとに多胡碑の民俗宗教との関係を考察する」



講演3「地下に埋められた多胡碑」

高崎市立多胡小学校長 松田猛先生 
「戦後の混乱によって貴重文化財が海外に流出することを恐れた文部省の指令に基づいて、吉井町が地域住民の協力を得て、多胡碑を地中に埋めて隠すという出来事があった。残された史料からそれを探ってみる」